土の処分問題を解決!「木から生まれた土」で育てるパンジーの冬越し
モカ
わたしのポケットガーデン
水耕栽培で、野菜だけでなくお花も育てられないのかな…
そんな私の疑問から始まったこのチャレンジ。
エコで扱いやすい【ハイドロボール】に着目し、パンジーの種まきをしてみました。
発芽までは順調でしたが、冬の冷え込みや肥料管理など、さまざまなトラブルにも直面(゚д゚)!【ハイドロボール】でパンジーを育てた実例と共に、私が感じた栽培の難しさと可能性を徹底解説していきます。
ガーデニングは楽しいけれど、使い終わった土がたまって困る…
そんな経験はありませんか?
多くの自治体では土の収集を行っておらず、いざ捨てようと思うと結構大変。
再利用する方法もありますが、手間と時間がかかるため、ちょっとハードルが高いと感じる方もいるのではないでしょうか。特にマンションなど庭のないお家では、「土を捨てる場所がなくて困る…」という声もよく耳にします。
そんな悩みを解決するために、思い切って土の代わりに【ハイドロボール】を使ってみよう!と決意。土を使わない水耕栽培なら、土処分の手間がなくなるだけでなく、再利用もできるのが魅力です。
今回は、一般的な「種まき用の土」や「培養土」で育てた場合とハイドロボールで育てた場合を比べて、成長の様子や育てやすさなども徹底チェックしました。
また、使用した種はサカタのタネさんの夢色スミレ(パンジー)という商品です。
水耕栽培と聞くと、室内で育てるイメージですよね。しかし、日の光が大好きなパンジーを室内で育てる場合、育成ライトが必要です。
我が家は育成ライトがないだけでなく、3時間以上日差しが入る場所もなく、これでは光量不足で元気に育たないと思いました。そのため、夢色スミレ(パンジー)は基本的にベランダ(屋外)で、おひさまの光をたっぷり浴びながら育てています。
私が住んでいる「暖地」では、12月中旬を過ぎると最低気温5℃を下回る日が増えてきました。根が直接水に触れる水耕栽培では、水温低下によるダメージが心配です。屋外で育てているので、外気温の影響をダイレクトに受けてしまいます。
日の光を確保しながら、冬の冷え込み対策もしなくてはならないという難しい環境。果たして無事に冬を越せるのでしょうか!?
パンジーは寒さに強い植物ですが、今回は土栽培とはまったく異なる環境です。冬の水耕栽培で成功するためには、温度・光・水分・栄養の管理がとても大事。寒い時期でも元気な成長を楽しむために、私が実践した対策をご紹介します。
温室がいちばんいいのでしょうが、ベランダのスペースが狭くてなかなか良いものが見つかりません‥ そこで!100円ショップでオリジナル温室を作ってみました。
材料は、すべて100円ショップで販売していた「段ボール」「ミニブロック」「保温シート」です。ベランダの冷たい床から底上げをして、保温シートで夜間の冷え込みを防ぎます。また、段ボールは蓋つきなので、寒風から苗を守ることもできます。
栽培を始めたころは肥料についてあまり深く考えず、今まで土栽培で使っていたものをそのまま活用していました。しかしどんどん調子が悪くなったパンジーを見て、肥料も見直すことに。水耕栽培でよく利用されている「微粉ハイポネックス」(株式会社ハイポネックスジャパン)を購入してみました。
今までの肥料は花や実つきを助けるリン酸の割合が高いものでした。
一方、新しい肥料は、植物の全体的な健康を支え、病害虫への抵抗力も高めるカリウムの割合が高いものになります。
水耕栽培の規定濃度である1000倍に希釈してあげてみたところ、なんだか調子がいい感じ。今までいかに栄養バランスが悪かったか、この時ようやく気付きました(〃ノωノ)
適切な肥料をあげるってホントに大切ですね。
水耕栽培に適した水温は、15℃~20℃だそうです。水温も何となくの感覚でしか気にしていなかったのですが、キチンと計ってみると発見もありました。
晴れていれば、冬の屋外でも十分水温は保たれていますが、夜間の冷え込みは5℃前後。
10℃以上も差があったんです。わが家のハイドロボール栽培の植物たちは、かなり過酷な環境を生きています。
さらに、わたしのオリジナル温室に入れると、昼間と夜間の温度差が小さくなりました。必ず水温が高くなる!とまでは言えませんでしたが、栽培環境を少し改善することはできそうです。
屋外の水耕栽培では、藻が発生しやすいのもデメリット。
完全には難しいかもしれませんが、アルミホイルを被せて防ぐ方法を試してみることにしました。ハイドロボールが茶色いせいか、藻が生えているか分かりづらいのが残念です。
しばらく被せていると、容器底には藻が発生しても、アルミホイルを敷いた場所には発生しませんでした。
全体が藻で覆われてしまうと綺麗にするのも一苦労ですが、これぐらいの影響なら管理も難しくはないなと思います。
今年の11月平均気温は、最高気温17.8℃、最低気温10.2℃。
夏の暑さもようやくおさまり、やっと涼しく感じられるようになりました。
ひとつ目の、小さな芽を確認!
土栽培からも次々芽が出てきました。
ハイドロボール栽培のほうが、発芽がゆっくり?
芽が出揃ったのは、15日目でした。「種まき用の土」と比べると、【ハイドロボール】栽培のほうがやや発芽率が低いという結果でした。
そろそろ肥料を与え始めることにしました。成長の差はないように感じます。
12月平均最高気温は13.2℃、平均最低気温は3.8℃でした。
初旬は暖かく感じる日が多かったですが、中旬頃からグッと気温が下がり、冬らしい寒さになりました。また、雨は少なく乾燥した天候が続いています。
わずかに本葉が見え始めた?
事件発生!
紙ポットの底が抜けてしまいました… ギリギリまで粘っていましたがもう限界。急いで鉢上げしなくちゃ!
種まきから1ヶ月ほどで、本葉がハッキリと見えてきました。
根っこが細くてみじかい!
12月後半に入り、最低気温が5℃を下回る日が多くなっています。寒い季節を越せるのかちょっと心配です‥
大きさは変わらないものの、ハイドロボール栽培の葉は全体的に黄色です(゚Д゚;) 肥料?温度?原因になりそうなことがいろいろあって困りました。ずっと屋外で栽培していましたが、とりあえず夜間だけ室内に入れることに。
今年の1月平均気温は、最高気温11.6℃、最低気温2.6℃でした。
年に1度くらいは雪がうっすら積もったりしますが、今年はまだありません。
種まきから2ヶ月ほど経ちましたが、どの苗も小さく葉も黄色くなってしまいました。この時期に、冷え込み対策と肥料などを見直しました。効果があることを期待しています。
「培養土」と「ハイドロボール」での栽培を比較してみると、葉が黄色いのを除けば、大きさや葉の数は同じくらいです。
調子の悪い苗はどんどん枯れていき、ついに2株しか残っていない状態に。
2月の平均最高気温は12.0℃、平均最低気温1.9℃でした。
まだまだ寒い日が続いていますが、昼間は春のような陽気の日もありました。
花壇の球根の芽も顔を出し、春の気配を感じます。
水耕栽培用の肥料に変えてから、1ヶ月ほど経ちました。
小さいながらも、葉の数は増えています。葉色も、土栽培のものに近くなってきたように感じます。
フラワーラベルとして挿していた木製のピックに、白い塊が付いているのを発見(゚д゚)!
カビのような‥カビではないような‥正体はよく分かりません。年末確認した時は、変わった様子はなかったのですが、あわてて外しました。
この1週間冷え込みが厳しかったためでしょうか、一気に枯れかかってしまいました。
さらに、外側の容器に藻のような汚れが発生していることに気づきました。アルミホイル対策のおかげか、表面のハイドロボールに藻が生えている様子はなさそう。
全体的に調子が良くなく、もう限界なのかな‥と思い始めています。
厳しい寒さから一転、春のようなポカポカ陽気でした。
半分以上諦めかけていたハイドロボール栽培ですが、なんと元気になってきたんです。数枚の葉は枯れてしまいましたが、ちょっとずつ成長しているように見えます。
来週から、春本番の陽気とニュースで伝えています。このまま調子が上向いて、どんどん成長してくれるといいなと思っています。
3月の平均気温は、最高気温16.0℃、最低気温5.4℃でした。
苗は小ぶりですが、土栽培・ハイドロボール栽培共に直径13cmの鉢に移植。ハイドロボール栽培の方は二重になっていて、水や肥料を下側の鉢に貯めています。
暖かい春の日差しが続き、ぐんぐん成長しています。
4月の平均気温は、最高気温20.7℃、最低気温11.2℃でした。
4月に入り、ついに土栽培の苗につぼみを見つけました。
反対に、ハイドロボール栽培の苗はなかなか株が大きくなりません…。
4月中旬、ようやく土栽培の夢色スミレが開花しました。
淡い紫色がかわいい💕
季節は、あっという間に開花シーズン終盤が近づいています。
このハイドロボール栽培の子が開花できるのか心配…( ノД`)
土栽培苗の開花から遅れること9日、ついにハイドロボール栽培の苗も開花!!
この子もかわいい淡い紫色です。
生育が悪くて何度も諦めようかと思ったのですが、開花までたどり着くことができて本当にうれしいです(*´▽`*)
5月の平均気温は、最高気温23.6℃、最低気温15.5℃でした。
我が家のパンジーも見頃を迎え、毎日ベランダに出るのが楽しみです。
種まきのタイミングが遅かったこともあり、開花の時期は一般的なシーズンより遅く、見頃の期間も短くなってしまいました。
結局、ハイドロボール栽培の苗はこんもりと大きくはならず、数本茎が伸びて徒長気味の姿になりました。
土栽培の苗と比べても、大きさが全然違います。
もう少しお花を楽しみたい気持ちもあったのですが、夏のような暑さと梅雨が近づいてきたこともあり、今シーズンの栽培は終了することにしました。
片付けの際に、ゴミとして処分するのは花苗だけ。土よりも簡単に分別でき、作業がラクに感じます。
ハイドロボールはキレイに洗って消毒し、また次の植物栽培で活躍してもらいましょう!
ハイドロボールの洗浄方法については、こちらの記事に詳しい方法をまとめています。
よろしければ参考にしてください。
種まきから成長、開花、片付けまで、一通り育ててみて感じた「成長の様子」と「管理のしやすさ」についてまとめました。
土栽培は安定感アリ!
大きく調子を崩すことなく、どの株も元気に成長。
期待どおりのボリューム感で、たくさんの花を見ることができました。
反対に、水の乾き具合が分かりづらい、土処分が手間、手や道具が汚れやすいといった点は難点に感じます。
ハイドロボール栽培はコツが必要!
発芽率が低めで、成長もゆっくり。
春先の成長に期待していましたが、株のサイズは小さく、花数も控えめという結果でした。
ただし、今回は試行錯誤しながらだったので、最初から適切な管理ができればもっと良い結果が出せるかもしれません。
繊細な管理が求められる印象のハイドロボール栽培ですが、水の減り具合が目に見えて分かりやすい、汚れにくい、再利用できるといった土栽培とは真逆の嬉しいポイントもありました。
土栽培もハイドロボール栽培も、最初は順調に成長していましたが、12月中旬を過ぎたころからハイドロボール栽培の葉がどんどん黄色くなり、調子が悪くなってしまいました。これまでの成長の様子から、次回から気をつけたいポイントをまとめました。
紙ポットはコスパが良くていいのですが、水耕栽培には無理がありました‥
次回はスリットポットやプラスチック製の丈夫な容器を最初から用意しておきます。
今回は、11月6日に種まきをしました。
早く種まきし大きく成長させておいた方が、もっと冬を越しやすかったかもしれません。
ちょうどいい時期を見極めるのは難しいですね‥。
せめて本葉が見え始めてからにしようかな‥とのんびりしていたのですが、どんどん成長が遅れてきて、もしかしたら枯れてしまったかもしれません‥
次回は双葉が見えたらすぐに、液体肥料を与え始める作戦でいきます。
これで発芽と同時に、元気よく成長できるはず!
昼間の日差しが暖かく、「まだ大丈夫かな?」と思っていたのがダメでした。
初冬から早めに対応できるよう準備していきたいと思います。
「どの程度の気温低下で対策が必要か」ということも観察できたらいいなぁと考えています。
フラワーラベルとして使っていた木製ピックに発生した白い塊の正体は、よく分からないままです。
土栽培のピックは問題なかったので、水耕栽培ならではの問題のようです。
また、白い塊はピックの周りだけでハイドロボール全体には広がっていませんでした。
こんな現象が起きるとは想像もしておらず、ビックリしました。
くまさんピックお気に入りだったので残念です‥
容器を使い始めてから4ヶ月。
ついに、容器の底に藻のような緑の汚れが発生しました。
日光が良く当たり、特に対策もしていなかったので発生しやすい環境だったと思います。
また、ポットやハイドロボールは汚れていなかったので、アルミホイルの効果はありそう。
汚れは、サッと洗うだけですぐに綺麗になりました。
これから気温が上がった時に汚れやすくなるのか、引き続き観察していきたいと思います。
発芽までは順調だった、【ハイドロボール】を使った夢色スミレ(パンジー)の水耕栽培。
肥料の与え方や寒さ対策が遅れてしまい、枯れないまでもストレスが大きい状況になってしまいました。今回はいろいろなトラブルもありましたが、そのおかげで「こうすればもっと良くなる!」というヒントもたくさん得られました。育て方次第ではもっと良い結果が出せそうだな…と、可能性を感じています。
振り返ってみると、こんな無謀な挑戦は失敗だったんじゃないかとハラハラドキドキする場面もありましたが、とても楽しい経験でした。これからパンジーを育ててみたい方や、土処分に悩んでいる方、ハイドロボール栽培にチャレンジしたい方の参考になれば幸いです。