土の処分がいらない!ハイドロボールで挑むネモフィラの水耕栽培 11・12月編
モカ
わたしのポケットガーデン
ハイドロボールで千日紅(センニチコウ)の水耕栽培!?
そんなの無理じゃない?

そう思ったあなたにこそ読んでほしい!
使い終わった土の処分や置き場所の悩みを解決するため、再利用可能なハイドロボールで千日紅の水耕栽培にチャレンジしました。
この記事では、初心者でも発芽率87%を実現したシンプルな種まき方法や栽培レビュー、水耕栽培のメリット・デメリットなどを、写真つきで分かりやすく解説します。


ガーデニングは楽しいけれど、使い終わった土がたまって困る…
そんな経験はありませんか?
多くの自治体では土の収集を行っておらず、いざ捨てようと思うと結構大変。
再利用する方法もありますが、手間と時間がかかるため、ちょっとハードルが高いと感じる方もいるのではないでしょうか。
特にマンションなど庭のないお家では、「土を捨てる場所がなくて困る」「保管する場所がない」という声もよく耳にします。
そこで私が選んだのが、土を使わない育て方=水耕栽培。
さらに、培地としてハイドロボールを使えば、繰り返し洗って再利用できるので、土処分の悩みから解放されます。
ハイドロボールとは、粘土を高温で焼き固めた多孔質のボール状素材です。
土の代わりに使うことができ、観葉植物や野菜の水耕栽培などに広く利用されています。「発泡煉石」や「レカトン」と呼ばれることもあります。

種まきは小粒タイプが向いており、成長とともに大きな粒にしていきます。
園芸店、ホームセンター、ネットショップ、100円ショップなどでも手軽に手に入るので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

千日紅(センニチコウ)の栽培と言えば土を使うのが常識。
果たして、水耕栽培でも花を楽しむことができるのでしょうか?
我が家の栽培場所は、南向きのベランダ。風通しと日当たりは心配なさそうですが、夏はとにかく暑い!水が相当暖かくなり、暑さに強い千日紅といえども生育が悪くなってしまうのではないかと心配です。「夏の暑さをどう乗り切るか」が成功のカギになりそうです。課題は多いですが、水はけ◎なハイドロボールなら上手くいくかも⁉と期待もしています。

地域によって種まき適期は異なりますが、目安として4~5月頃に種まきすると、開花は6月下旬~7月上旬になります。今回は、4月11日に種まきしました。

千日紅の発芽適温は、地温で20~25℃。
春先は気温差があって、気温が低い時もあると思います。
充分暖かくなってから種まきするか、保温して発芽を促す方法もあります。
今回は、できるだけ木漏れ日が入り暖かい室内で種まきしてみました。
気温22℃前後、水温20~22℃という環境です。
今回、私が使用したものはこちら!
一般的な土栽培と少し異なりますが、初心者にも揃えやすい材料ばかりです。

種まきに使用したもの
発芽から開花期に使用したもの
使用した種の紹介
今回育てる千日紅は、サカタのタネさんの「千日紅ネオンミックス」です。
赤、ピンク、白色の種がミックスされているので、一度にいろいろな花色を楽しめてうれしいですね。土質を選ばないとても作りやすい品種という説明書きに惹かれて、チャレンジしてみることにしました。

ハイドロボールをしっかり洗い、余分な汚れや粉を取り除きます。


重ならないように注意して、1ポットに5粒ずつ種まきしました。
種は比較的大きく、まきやすいサイズです。

覆土の代わりになるかは分かりませんが、少しハイドロボールをかけました。

千日紅(センニチコウ)の種は嫌光性種子なので、新聞紙で暗くします。

底面給水用の容器に、ポットの高さ1/3くらいが浸かるよう水を入れます。
さらに、底面給水だけでは表面が乾くので、霧吹きでも保湿します。
私は1日1回霧吹きで水をかけていました。
通常は5~10日で発芽しますが、今回は4日目にはもう芽が見えてきました(*´▽`*)
天候や栽培場所によって、様子は大きく変わると思います。
小さな苗の時期は毎日様子をチェックして、大事に育ててあげましょう。

まだ根が十分に張っていないと、ポットに並々と水を貯めたくなってしまうかもしれません。しかし、あまり水の量が多いと根腐れのリスクもあります。
水の量はポットの1/3程度にし、表面が乾く場合は霧吹きで湿度を保つ程度で十分でした。

発芽したら、徐々に日光に慣らします。
いきなり直射日光に当てると、枯れてしまうかも。
最初は直射日光を避けた明るい日陰に置き、だんだんよく日の当たる場所へ移動しましょう。
土栽培では、本葉が2~3枚に成長した頃に肥料を与え始めるのが一般的なようです。
しかし、ハイドロボールは肥料分を全く含んでいません。
同じようなハイドロボール栽培をした時に、のんびりしすぎて葉が黄色くなってしまった経験から、双葉が見えたらすぐに与え始めました。
私が使用したのは「微粉ハイポネックス」(株式会社ハイポネックスジャパン)。
水耕栽培用の濃度1000倍に希釈して、ポットの1/3が浸かるくらいの量を与えています。
種まき時の水温が20℃前後と少し冷たかったのですが、発芽率は約87%でした。商品説明に「発芽率70%以上」とあるので、土栽培と変わらない結果といえそうです。
また、日当たりが良すぎる我が家のベランダでは、さすがに暑すぎて枯れてしまうのでは…と心配していたのですが、大きく調子を崩すことなく、たくさんの花を咲かせてくれました。初心者の方にもおすすめです!

種まきから4日目。
「この赤いの何だろう?」と思ったら千日紅の芽でした(*ノωノ)
緑ではなく赤い色なんですね。

すべてのポットから、次々と芽が出てきました。

かわいい双葉が見えると、今度はモスグリーンの色に変わりました。

種まきから一週間ほどで芽が出揃ったようです。
今までは水だけでしたが、肥料も与え始めました。

ここまでずっと室内管理だったので、ヒョロヒョロと茎が伸び徒長してしまわないか心配でした。しかし、草丈はそれほど伸びずコンパクトなままです。ここからは徐々に日差しに慣れさせながら、屋外管理に移していこうと思います。

本葉も見え始めました。

生育の良さそうな苗を残して間引きしていきます。

どんどん草丈は伸び、根っこもあっという間にポットの底から出てきました。

屋外管理に移してから1ヶ月ほどで、藻が生え始めました。

順調に苗が成長したので、大きい鉢に植え付けます。
藻の発生を抑えるためにアルミホイルを敷きましたが、見た目がイマイチ… そこで、ココヤシファイバーでさらにマルチングしています。


種まきから2ヶ月半。コロンとしたピンク色のかわいい花が開花しました!

気温30度を超える日が続いています。
この時期の水温を測ってみると、なんと36℃!
お風呂に浸かっているような状態なのに、調子を崩すことなく開花していてビックリです。

ハイドロボールは軽いため、高さのある植物には向きません。
今回育てた千日紅も、葉っぱや花が茂ってきて、30cm程度まで成長すると倒れやすくなるなと感じました。

栽培期間6ヶ月の間に2回摘心し、根っこも併せて少しカットしていました。適度に摘心を繰り返すことで、コンパクトな姿を維持しながら栽培することができました。

暑さが続くこの時期、鉢底をのぞいてみると黒っぽくなっていました。数週間に1回程度は掃除をするようにしています。

摘芯をしてから1ヶ月ほどで、また開花してきました。
猛暑の時期、水やりの頻度は2日に1回くらい。どのくらい水が減っているか見た目で判断できるので、とても分かりやすい!



種まきからおよそ半年。
そろそろ秋の気配も感じ始めたので、今年の千日紅栽培は終了することにしました。鉢から中身を取り出してみると…心配していた藻やカビの発生はなさそうです(^^♪
ハイドロボールはしっかり洗浄・消毒をして、次のガーデニングでも活躍してもらいましょう。こちらの記事に、ハイドロボールの洗浄方法について詳しくまとめています。
よろしければ参考にしてください。

実際にハイドロボールを使った千日紅(センニチコウ)の水耕栽培に挑戦してみて、私が感じたメリット・デメリットをご紹介します。

ハイドロボールの使い勝手の良さに加えて、土栽培と変わらない発芽率や成長が最大のメリット。正直、「まいた種が発芽しないのでは?」「花があまり咲かないかも…」といった不安もありましたが、十分なボリュームでとても元気に成長してくれました。

水耕栽培には多くの利点がありますが、土栽培に慣れた方は、水やりや肥料管理などで違いに慣れなかったり、少し手間に感じることもあるかもしれませんね。
一般的な土栽培と水耕栽培を比べて、「成長」や「管理のしやすさ」にどのような違いがあるのでしょうか。種まきから、開花、そして片付けまで一通り行ってみて、私が感じた違いをまとめました。
| 項目 | 土栽培 | 水耕栽培 |
| 発芽率 | ◎ 70%以上 | ◎ 87% |
| 花つき | ◎ 安定してたくさん咲く | ◎ 土栽培と同程度の花つき |
| 成長の安定感 | ◎ 初心者にも育てやすい | ◎ 初心者にも育てやすく、 真夏の暑さでも生育良好 |
| 水やり | △ 乾き具合が分かりにくい | ◎ 水位が見えて管理しやすい |
| 清潔さ・片付け | △ 土汚れや処分が手間 | ◎ 汚れにくく、再利用OK |
| マルチング | ◎ お好みで | △ 藻の発生予防に必要 |
今回は、土栽培も水耕栽培でも安定感があり、育てにくいということはありませんでした。また、たくさんの千日紅の花を楽しむこともできました。
違いがあるとすれば、土栽培は「水の乾き具合が分かりづらい」「土処分が手間」「手や道具が汚れやすい」といったことが難点に感じます。
繊細な管理が求められる印象の水耕栽培ですが、「水の減り具合が目に見えて分かりやすい」「汚れにくい」「再利用できる」といった土栽培とは真逆の嬉しいポイントもありました。
それぞれに良さがあり、どちらが合うかは生活スタイルや育てる環境によって変わってきそうですね。

千日紅(センニチコウ)は、開花期が長く、色も褪せにくいのが名前の由来だそう。
また、花のように見える丸い部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉が変化した部分です。
日本の夏の暑さにも耐えられる丈夫な植物で、強い日差しが照り付けるわが家の花壇でも、ずっと花を咲かせてくれる頼りになる存在です。
そんな千日紅には、こんな花言葉があります。
今回はハイドロボールを使った千日紅(センニチコウ)の水耕栽培に挑戦し、土栽培とほぼ同等の発芽率(約87%)と開花を確認できました。近年の猛暑を考えると、さすがに無理なのでは…と心配していましたが、春から秋まで長期間楽しむことができました!
ハイドロボールは再利用可能で土処分の手間も不要なので、土の置き場や処分にお悩みの方におすすめです。野菜の栽培だけでなく、お花の栽培にも活躍してもらうのはいかがでしょうか?
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。