【ハイドロボール】で挑戦するアリッサムの水耕栽培レポート ~春の成長編~
モカ
わたしのポケットガーデン
野菜や花を育てていると、最後に困るのが「使い終わった土の処分」。
自治体で回収してくれない地域も多く、ベランダに置きっぱなし…なんて経験はありませんか?
そんな土処分の悩みを解決しようと、ハイドロボールを使ったパンジーの水耕栽培に挑戦しました。今回は、パンジーを種から育て、土栽培と水耕栽培の違いを徹底比較しています。
「水耕栽培って野菜のイメージだけど、花も育つの?」
「冬でもベランダで大丈夫?」
実際に挑戦したからこそ分かったメリット・デメリット、寒さ対策の工夫、そしてハイドロボールならではの管理のしやすさを、写真とともに詳しくご紹介します。
土を使わない新しいパンジーの育て方について、わたしの体験をもとにまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

ガーデニングは楽しいけれど、使い終わった土がたまって困る…

そんな経験はありませんか?
多くの自治体では土の収集を行っておらず、いざ捨てようと思うと結構大変。
再利用する方法もありますが、手間と時間がかかるため、ちょっとハードルが高いと感じる方もいるのではないでしょうか。特にマンションなど庭のないお家では、「土を捨てる場所がなくて困る…」という声もよく耳にします。
そんな悩みを解決するために、思い切って土の代わりに【ハイドロボール】を使ってみよう!と決意。土を使わない水耕栽培なら、土処分の手間がなくなるだけでなく、再利用もできるのが魅力です。

今回は、一般的な「種まき用の土」や「培養土」で育てた場合とハイドロボールを使った水耕栽培で育てた場合を比べて、成長の様子や育てやすさなども徹底チェックしました。
また、使用した種はこちらの「サカタのタネ 夢色スミレ恋桜」という商品です。

「水耕栽培」と聞くと、室内で育てるイメージを持つ方も多いと思います。ですが、パンジー(夢色スミレ)は太陽の光が大好き。室内で栽培する場合は育成ライトが必要になります。
我が家にはライトも十分な日当たりもなかったため、ベランダ(屋外)で栽培することにしました。
しかし、暖地でも12月中旬を過ぎると最低気温が5℃を下回る日が増えます。根が直接水に触れる水耕栽培では、水温の低下によるダメージが心配。屋外では外気温の影響を受けやすく、「日光をしっかり確保しながら、冬の冷え込み対策をどうするか」が大きな課題になりました。
パンジーの水耕栽培は、光量不足や冬の寒さとの戦い。果たして、この環境で無事に開花させることができるのでしょうか――?
パンジーは寒さに強い植物ですが、今回は土栽培とはまったく異なる環境です。冬の水耕栽培で成功するためには、温度・光・水分・栄養の管理がとても大事。寒い時期でも元気な成長を楽しむために、私が実践した対策をご紹介します。

温室がいちばんいいのでしょうが、ベランダのスペースが狭くてなかなか良いものが見つけられませんでした。そこで!100円ショップでオリジナル温室を作ってみました。
材料は、すべて100円ショップで販売していた「段ボール」「ミニブロック」「保温シート」です。ベランダの冷たい床から底上げをして、保温シートで夜間の冷え込みを防ぎます。また、段ボールは蓋つきなので、寒風から苗を守ることもできます。

栽培を始めたころは肥料についてあまり深く考えず、今まで土栽培で使っていたものを使用していました。しかしどんどん調子が悪くなったパンジーを見て、肥料も見直すことに。こちらの「微粉ハイポネックス」は、水耕栽培にも利用できます。

今までの肥料は、花や実つきを助けるリン酸の割合が高いものでした。
一方、新しい肥料は植物の全体的な健康を支え、病害虫への抵抗力も高めるカリウムの割合が高いものになります。
水耕栽培の規定濃度である1000倍に希釈してあげてみたところ、なんだか調子がいい感じ。今までいかに栄養バランスが悪かったか、この時ようやく気付きました(〃ノωノ)
適切な肥料をあげるってホントに大切ですね。

水耕栽培に適した水温は、15℃~20℃だそうです。水温も何となくの感覚でしか気にしていなかったのですが、キチンと計ってみると発見もありました。
晴れていれば、冬の屋外でも十分水温は保たれていますが、夜間の冷え込みは5℃前後。
10℃以上も差があったんです。わが家の水耕栽培の植物たちは、かなり過酷な環境で育っています。

さらに、わたしのオリジナル温室に入れると、昼間と夜間の温度差が小さくなりました。必ず水温が高くなる!とまでは言えませんでしたが、栽培環境を少し改善することはできそうです。

屋外の水耕栽培では、藻が発生しやすいのもデメリット。
完全には難しいかもしれませんが、アルミホイルを被せて防ぐ方法を試してみることにしました。ハイドロボールが茶色いせいか、鉢の内部に藻が発生しているか分かりづらいのが残念です。
しばらく被せていると、外側の容器底には藻が発生しても、他の部分には見られませんでした。全体が藻で覆われてしまうと綺麗にするのも一苦労ですが、これぐらいの影響なら管理も難しくはないなと思います。


ひとつ目の、小さな芽を確認!

土栽培からも次々芽が出てきました。

水耕栽培のほうが、発芽がゆっくり?

芽が出揃ったのは15日目でした。1ポットに3粒ずつまいて、土栽培は2~3粒、水耕栽培は1~3粒発芽を確認することができました。
水耕栽培のほうがやや発芽率が低いという結果でした。

種まきから1ヶ月ほどで、本葉が見えてきました。

紙ポットの底が抜けてしまう事件が発生!ギリギリまで粘っていましたがもう限界。急いで鉢上げしました。

根っこが細くてみじかい!こんなか弱い姿で、寒い季節を越せるか心配です‥

大きさは変わらないものの、水耕栽培の葉は全体的に黄色です。肥料?温度?原因になりそうなことがいろいろあって困りました。ずっと屋外で栽培していましたが、とりあえず夜間だけ室内に入れることに。

種まきから2ヶ月ほど経ちましたが、どの苗も小さく葉も黄色くなってしまいます。この時期に、冷え込み対策と肥料などを見直しました。効果があることを期待!

「培養土」と「ハイドロボール」での栽培を比較してみると、葉が黄色いのを除けば、大きさや葉の数は同じくらいです。

調子の悪い苗はどんどん枯れていき、ついに2株しか残っていません( ノД`)シクシク…

水耕栽培用の肥料に変えてから、1ヶ月ほど経ちました。
小さいながらも、葉の数は増えています。葉色も、土栽培のものに近くなってきたように感じます。

フラワーラベルとして挿していた木製のピックに、白い塊が付いているのを発見!カビのような‥カビではないような‥正体はよく分かりません。年末確認した時は、変わった様子はなかったのですが、あわてて外しました。

この1週間冷え込みが厳しかったためでしょうか、一気に枯れかかってしまいました。

さらに、外側の容器に藻が発生していることに気づきました。アルミホイル対策のおかげか、表面のハイドロボールに藻が発生している様子はなさそう。
全体的に調子が良くなく、もう限界なのかな‥と思い始めています。

厳しい寒さから一転、春のようなポカポカ陽気でした。
半分以上諦めかけていた水耕栽培ですが、なんと元気になってきたんです。数枚の葉は枯れてしまいましたが、ちょっとずつ成長しているように見えます。


まだ苗は小ぶりですが、土栽培・水耕栽培ともに直径13cmの鉢に移植。水耕栽培の方は二重鉢になっていて、水や肥料を下側の鉢に貯めています。

暖かい春の日差しが続き、ぐんぐん成長してきました。

4月に入り、ついに土栽培の苗につぼみを見つけました。反対に、水耕栽培の苗はなかなか株が大きくなりません…。

4月中旬、ようやく土栽培の夢色スミレが開花しました。淡い紫色がかわいい💕あっという間に、季節は開花シーズン終盤が近づいています。水耕栽培の子が開花できるのか心配…


土栽培苗の開花から遅れること9日。ついに水耕栽培の苗も開花しました(祝)この子もかわいい淡い紫色です。生育が悪くて何度も諦めようかと思ったのですが、開花までたどり着くことができて本当にうれしいです(^^♪


我が家のパンジーも見頃を迎え、毎日ベランダに出るのが楽しみです。
種まきのタイミングが遅かったこともあり、開花の時期は一般的なシーズンより遅く、見頃の期間も短くなってしまいました。


結局、水耕栽培の苗はこんもりと大きくはならず、数本茎が伸びて徒長気味の姿になりました。土栽培の苗と比べても、大きさが全然違います。

もう少しお花を楽しみたい気持ちもあったのですが、夏のような暑さと梅雨が近づいてきたこともあり、今シーズンの栽培は終了することにしました。
片付けの際に、ゴミとして処分するのは花苗だけです。土よりも簡単に分別でき、作業がラクに感じました。また、ハイドロボールはキレイに洗って消毒し、再利用することができます。次の植物栽培でも活躍してもらいましょう!
ハイドロボールの洗浄方法については、こちらの記事に詳しい方法をまとめています。
よろしければ参考にしてください。

種まきから成長、開花、片付けまで、一通り育てて感じたメリット・デメリットについてまとめました。
土栽培は安定感アリ!
種まき時期が遅かったこともあり、冬場の成長はとてもゆっくりでした。しかし、大きく調子を崩すこともなく、どの株も元気に成長してくれました。そして、春には期待どおりのボリューム感で、たくさんの花を見ることができました。
反対に、水の乾き具合が分かりづらい、土処分が手間、手や道具が汚れやすいといった点はデメリットに感じます。
水耕栽培はコツが必要!
発芽率が低めで、成長もゆっくり。
春先の成長に期待していましたが、株のサイズは小さく、花数も控えめという結果でした。ただし、今回は試行錯誤しながらだったので、最初から適切な管理ができればもっと良い結果が出せるかもしれません。
また、繊細な管理が求められる印象の水耕栽培ですが、水の減り具合が目に見えて分かりやすい、汚れにくい、再利用できるといった土栽培とは真逆の嬉しいポイントもありました。
ハイドロボールでパンジーを育ててみて、「もっとこうすれば良かった!」と感じたことをまとめました。
紙ポットはコスパが良くていいのですが、水耕栽培には無理がありました‥
次回はスリットポットやプラスチック製の丈夫な容器を最初から用意しておきたいと思います。
11月6日に種まきをし、開花したのは4月中旬でした。1年草なのに、花を楽しめる期間がここまで減ってしまうとちょっと残念ですね。また、早く種まきし大きく成長させておいた方が、もっと冬を越しやすかったかもしれません。ちょうどいい時期を見極めるのは難しいですね‥。
肥料の種類や与え始めるタイミングを、完全に自己流でしていました。そのため、どんどん苗の調子が悪くなり、すべて枯れてしまっていたかもしれません‥
次回は双葉が見えたらすぐに、水耕栽培用の肥料を与え始める作戦でいきます。これで発芽と同時に、元気よく成長できるはず!

フラワーラベルとして使っていた木製ピックに発生した白い塊の正体は、よく分からないままです。土栽培のピックは問題なかったので、水耕栽培ならではの問題のようです。
また、白い塊はピックの周りだけでハイドロボール全体には広がっていませんでした。
こんな現象が起きるとは想像もしておらず、ビックリしました。
くまさんピックお気に入りだったので残念です‥

容器を使い始めてから4ヶ月。容器の底に藻が発生しました。日光が良く当たり、特に対策もしていなかったので発生しやすい環境だったと思います。また、ポットやハイドロボールは汚れていなかったので、アルミホイルの効果はありそうです。汚れは、サッと洗うだけですぐに綺麗になりました。

ハイドロボールを使って、夢色スミレ(パンジー)の水耕栽培に挑戦した記録をご紹介しました。振り返ってみると、こんな挑戦は失敗だったんじゃないかとハラハラする場面もありましたが、開花まで辿り着くことができて嬉しかったです。いろいろなトラブルもありましたが、そのおかげで「こうすればもっと良くなる!」というヒントもたくさん得られました。育て方次第ではもっと良い結果が出せそうだな…と、可能性を感じています。
また、土栽培に比べると生育の差はあったものの、片付けがラクで清潔に楽しめるのは大きなメリットでした。土処分に悩んでいる方には、ぜひ一度試していただきたい方法です。
ポイントまとめ
土の代わりにハイドロボールを使う:処分の手間がなく再利用も可能
オリジナル温室で寒さ対策:段ボール+保温シート+ミニブロックで冷え込みと寒風を防ぐ
水耕栽培用の肥料を使う:微粉ハイポネックスなどで栄養バランスを整える
肥料スタートのタイミング:双葉が見えたらすぐ与え始める
水温を意識する:水耕栽培は根が直接水に触れるので、水温低下によるダメージに注意
藻対策にアルミホイルを活用:ハイドロボールに敷くと藻の発生に一定の効果がある
種まきは早めに行う:開花期間が長くなるだけでなく、冬の成長不良が減らせるかも…
容器は丈夫なものを選ぶ:紙ポットの底抜けや水漏れを防ぎ、管理が楽になる
木製ピックはおすすめできない:カビのような物ができた
光をしっかり確保する:屋内栽培では、育成ライトや日差しの良く当たる場所が必要
これからパンジーを育ててみたい方や、不要な土が増えて困っている方、省スペースでエコなガーデニングを目指している方の参考になれば幸いです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。