土の処分がいらない!ハイドロボールで挑むネモフィラの水耕栽培 3~5月編
モカ
わたしのポケットガーデン
藤のようにスッと伸びる花穂が美しいルピナス。
そんなルピナスを、今回はハイドロボールを使って“土なし栽培”に挑戦しました。
土のいらない水耕栽培は、土処分の手間がなくなるだけでなく、水やりの加減が分かりやすいのも魅力。初心者でも楽しめる育て方だと思います。
この記事では、初心者でも発芽率58%を実現したシンプルな種まき方法や硬実種子の発芽率を上げるコツ、育て方のポイントを写真つきで分かりやすく解説します。

春にルピナスの花畑を作りたいなら、秋の今がチャンス!地域によって種まき適期は異なりますが、目安として暖かい地域で10月下旬に種まきすると、開花は翌年5月ころになります。寒い地域では4〜5月に種まきし育てられます。
なかなか気温が下がらず、今年は10月23日にようやく種まきできました。梅雨前には、ルピナスの花畑が見られるといいなと思っています。
ルピナスの発芽適温は、地温20℃前後です。
まだ暖かい時期に種まきすると発芽しづらくなります。涼しくなってきたころが種まき適期です。パッケージには、暖かい地域ではススキの穂が出るころ、寒い地域では桜の便りが聞かれるころと書かれていました。
今回、私が使用したものはこちら!
どれもホームセンターや100円ショップ、ネット通販で手軽に揃えられます。
今回は、サカタのタネさんの『ルピナス ピクシーデライトミックス 美咲シリーズ』という商品で種まきしました。ハイドロボールの特性上、草丈が高いと倒れる心配があります。花穂20cm、草丈40cmの中型タイプでチャレンジしました。

ルピナスは直根性のため、根を傷つけると回復せず枯れるリスクが高い植物です。
そのため、2種類のポットを使って、どちらが育てやすいか比べてみることにしました。
直径13㎝の大きめポット→移植せず開花まで育てる
直径6cmの小さいポット→ある程度大きくなったら、大きいポットに移植する

ルピナスは硬実種子と呼ばれる種皮が固い種です。水を吸水しにくいため、そのまま種まきすると発芽が揃わないことがあります。一晩水に浸けてから種まきして、発芽率を上げます。

新しいハイドロボールはしっかり洗い、余分な汚れや粉を取り除きます。

今回は、種の大きさに合わせ中粒ハイドロボールを使用してみることに。
しかし、小粒よりも若干乾きやすいようにも感じました。種は乾いてしまうと発芽しないので、小粒のハイドロボールを使用したほうがより湿度が保たれ、発芽率もあがったかもしれません…

1ポットに4粒ずつ種まきしました。

1cm程度の深さになるよう、種の上にハイドロボールをかけます。

ルピナスの種は嫌光性種子です。
新聞紙を被せて、光が当たらないように管理しました。乾燥防止にもなります。
※嫌光性種子とは?
発芽する際に光を好まない種子のことです。

底面給水用の容器に、ポットの高さ1/4~1/3くらいが浸かるよう水を入れます。表面の乾燥が心配な時は、霧吹きで保湿しました。
発芽までの日数が予想以上に早かったこともあり、結局2回しか霧吹きはしませんでした。
通常は10~15日で発芽しますが、今回は4日目にはもう芽が見えてきました(*´▽`*) しっかり水に漬けてから種まきしたおかげかもしれませんね。発芽率は約58%!商品説明では発芽率50%以上と書かれているので、土栽培と変わらない結果と言えそうです。
実際の発芽の様子を、写真で詳しくご紹介します。

たった4日で発芽しました!

種が大きいからか、茎も太くたくましい感じです。


種の帽子を脱いで、双葉が見えてきました。

まだ根が十分に張っていない時期は、ポットに並々と水を貯めたくなってしまうかもしれません。しかし、あまり水の量が多いと、根が呼吸できずに弱ってしまうことがあります。
今回育ててみて、水の量はポットの1/4~1/3が浸かるくらいで十分なように感じました。栽培場所や気温によっても状態は変わるので、毎日様子を観察して調整してみてください。

ルピナスの発芽苗は大きくて、パンジーやビオラの発芽苗ほど慎重にならなくてもよいのかもしれません。しかしせっかくの苗を枯らしたくないので、室内の明るい場所から慣らしていきました。
徒長(ひょろひょろ伸びる)を防ぐため、発芽したら新聞紙を外し、徐々によく日の当たる場所へ移動します。風通しのよい環境で育てると、カビも防げます。
土栽培では、花壇などに植え付けるころに肥料を与え始めるのが一般的なようです。
ハイドロボールは無肥料なので、双葉が見えたころから肥料を与え始めます。私が使用したのは『微粉ハイポネックス』。水耕栽培用の濃度1000倍に希釈して、ポットの1/3が浸かるくらいの量を与えています。

私が水耕栽培に挑戦してみようと思った大きな理由は、“土の処分”に悩まされていたからです。土はごみとして回収されないため、不要な土がどんどんたまって困ることがあります。
そこで注目したのが『ハイドロボール』!ハイドロボールは使い終わった後も再利用でき、処分の手間がかかりません。軽量で衛生的なため、インドアガーデニングにも重宝されています。
「でも、水耕栽培って難しそう…」と思う方も多いかもしれません。しかし、実は土で育てるよりも失敗しにくいと感じることもあるんです。例えば、土だと「いつ水をあげたらいいのか」が分かりにくいですよね。私も以前、水をやりすぎて植物を枯らしてしまったことがあります。その点、水耕栽培なら水の減り具合が目で見て分かるので迷いません。
栽培に自信がない方や初心者でも楽しめる育て方だと思います。

ハイドロボールは園芸店、ホームセンター、ネットショップ、100円ショップなどでも手軽に手に入るのでぜひチェックしてみてください。
実際にハイドロボールを使ったルピナスの種まきに挑戦してみて、私が感じたメリット・デメリットをご紹介します。

ハイドロボールの使い勝手の良さに加えて、土栽培と変わらない発芽率が得られたのは大きな発見でした。正直、「スカスカなハイドロボールの中で、キチンと保湿されるのか?」「そもそも水耕栽培で発芽するのか?」といった心配がありました。第一段階の発芽まではなんとか成功!今後の成長も期待したいです。

土栽培に慣れている方ほど、いつ・どう管理するかの“感覚”がつかみにくいと思います。例えば、肥料を与えるタイミングなど、土栽培での“経験則”がそのまま使えません。
とはいえ、基本的な考え方──「発芽適温を守る」「乾燥させない」「発芽までは遮光する」──を意識すれば大丈夫。
正直なところ、私も手探りでお世話しています。慣れるまでは少し戸惑うかもしれませんが、私のような初心者でも土栽培と変わらない発芽率が実現できました。

水耕栽培で挑戦する、ルピナスの種まきと発芽の様子をご紹介しました。
一般的な土栽培とは異なる方法ですが、発芽率58%という結果でした。ハイドロボールでもルピナスの発芽は十分可能であることが分かりました。果たして、このまま順調に生育し、開花まで見届けることができるのか楽しみです( *´艸`)
これからも、ルピナスの成長を順次ご紹介していきます。
豆知識:ルピナスの名前の由来
ルピナスの英名 “Lupine” はラテン語で「オオカミ」を意味します。
痩せた土地を荒らすと思われていたことからついた名前なんだそうです。
日本では花穂がまっすぐ空に伸びる姿から 「ノボリフジ(昇り藤)」とも呼ばれています。
定番のパンジー・ビオラだけでなくて、その中にルピナスのような縦のラインがきれいなお花咲いているとリズムが生まれて良さそうですね。